« 『オーシャンズ12』 | トップページ | 『モナリザ・スマイル』 »

2006年4月23日 (日)

『雨がやんだら』 椎名 誠

「SF小説」とはよく言ったもので、短編集なんだけど、どのお話もすごく独特な世界をもったお話でした。

タイトルの、『雨がやんだら』というお話は、雨の降らない場所で発見された、雨がやまない場所に住んでいた女の子の日記のお話。この対比が、状況をより浮き彫りにしているんだろう。

日記、という形式をとることで女の子の生活が、止まない雨によってどんどん変わっていき、追い詰められていく様子がよく分かる。

そして、靴をはきたがらない男の、最後に流した涙・・・かぁ。

言いようのない悔しさとか、せつなさとか、なんだか状況はよく分からないんだけど、でもなんとなく、そしてすごく、悲しい感じがした。

あとは、『いそしぎ』というお話。妻を、何か大きな力への生贄(?)にされてしまう男の、妻との別れの情景を描いた話。

ありえない設定なんだけど、どことなく真実味があって、ちょっと怖くさえもあった。

多分それは、その状況こそありえないけど、そこに立つ男や、妻の気持ちが私にすごく理解できるものであるからだろうな。私と同じような思考のあり方をする人間の、全然違った世界での運命。

だから、ちょっと、怖いんだろうな。

そうそう、こういう風にいろんな書き方のいろんな話があって、なんか『世にも奇妙な物語』みたいだなぁと思った。あとは、現代の日本アニメのような、ちょっと壊れてる感もあったかも。

椎名誠って、こういう話を書くんだなぁってすごく意外に思った。私小説の、『岳物語』しか読んだことなかったけん。

|

« 『オーシャンズ12』 | トップページ | 『モナリザ・スマイル』 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/46664/1504284

この記事へのトラックバック一覧です: 『雨がやんだら』 椎名 誠:

« 『オーシャンズ12』 | トップページ | 『モナリザ・スマイル』 »