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2006年11月22日 (水)

『球形の季節』 恩田陸

この人の世界観って、すごい・・・・。“日常”の中に、確実に見え隠れする漠然とした不安や失望やなんかを、こんな形にして出してくるなんて。。

一見すると、ありえない話なんだけど、どっかでこういうのもあるのかもしれない、と思う自分がいる。退屈な日常であればあるほど、どっかで、本当はこの世界は何か大きな隠し事をしているんだろう、と感じる気持ちもわからないではない。

(まぁ、私の今の日常はそんなにも退屈じゃないケド。。。っていうか、どちらかといえば、何かに終われている感じかも。)

谷津という閉じられた土地で、起こった出来事なんだけど、日本の中にはこんな風に閉じられた土地ってまだまだ多いのではないかと思う。私はそんな土地が結構好きだったりするんだけどな。

ただもう、“もうひとつの世界”の持つ圧倒的な力と、完璧な情景(それはとても寂しい情景なんだけど、どこか優しいのかもしれない、と思った)の描写はすごいと思った。読んでいて、私もその世界に足を踏み入れてしまったような感覚になった。(授業中に読んでたんだけど、先生の声とか飛んでいったもん。)

身近な人が、“行ってしまった”ら、もうどうすることもできない、という形で物語は終わる。

下手にラストをつけず、それでも続いてゆく日常を感じさせる終わりかただと思った。

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2006年11月21日 (火)

『やかまし村の春夏秋冬』

やかまし村シリーズの第2弾。

今度は、村の四季がすごく美しく描かれていた。

あぁ、こういう所で育つことができたらどんなにいいだろうなぁ。

話は、至極穏やかに進んでいきます。

見ていたときがちょっと疲れていたこともあり、結構気持ちよく寝てしまったかも・・・。

いや、後でちゃんと見直したけどね・・・。

一番ちいさい女の子がめっちゃ可愛かった!!

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『大停電の夜に』

「こんな夜だから、ま、いいか。」

こんな一言で、自分の心の中を、この晩までは知りもしなかった他人に話せてしまう。

ろうそくの光だけで人と向き合うと、自然とそのような気持ちになるのだろう。

私も、部屋の明かりを消し、お気に入りのキャンドルをともしてこの映画を見た。

すごくすごく優しい気持ちで、出てきた人たちの話を、私も一緒に見て、聞いた。

大停電は、東京っていう町に住む人たちに、優しい気持ちにさせてくれたのだろう。

キャンドルがたくさん灯った中にある、ベースはすごくすごく綺麗で、一枚の絵を見ているようだった。

火の光って、不思議だなぁ。ずっと見ていても飽きないから。

映画は、号泣するようなものではなかったけど、なぜだかすごく優しい気持ちになれたし、話が進んでいけばいくほど、優しい哀しさで胸がいっぱいになった。

あぁ、この映画、私は好きだなぁ、と思った。

クリスマスの夜に本当に一緒にいたかった人と一緒に居ることができない人たちばかりだったから、だから互いに優しくなれたんだろうな。それって、あったかいけど、とても哀しいなぁ・・・。

気になったのは、登場人物の色んな想いが描かれ、また絡み合っていく(この点については、すごく偶然がかさなるんだけど、“こんな夜”だからこその奇跡なんだろうと思う)中で、原田知世演じるキャンドル屋さんのお姉さんの過去だけ語られないままだったことかな。あんな可愛い子が一人であんな路地でキャンドル屋さんをやっているとはどういうことよ、と思ったので。豊川悦司演じるバーのお兄さんの過去の話に対する過剰な反応からも、「これは何かあったな」と思っていただけに、語られないままなのは残念だった。

というのも、私は彼女に一番、親しみを覚えたからかもしれないなぁ。。

いっそ、停電にでもなったら、人間っていうのは案外素直になれるものなのかもしれない。

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2006年11月18日 (土)

『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』

ついさっき、テレビでやったのを見ました。

♪東京へは、もう何度も行きました♪っていう主題歌のメロディーをCMで聞いてから、絶対に見ようと、なぜか思っていたので。どっか、哀しくって、でもひきつけられるメロディーで。

筑豊の田舎から東京という場所に出てきて、また、時代もどんどん過ぎていって、でも、まったく変わらない“オカン”と主人公の関係とか、そういうのがすごくすごく愛おしいと思う。それから、最後に「(栄子(オカン)は)いい女だったなぁ。」と言って泣いた“オトン”の生き方も、やっぱり愛おしいと思う。

栄子さんは、本当にいい女性だなぁ。芯が強くて、ユーモアもあって、あったかくって・・・。息子と過ごした全ての時を「幸せだった」と言い切れるその強さこそが、たくさんの人を惹きつけた魅力なんだろうな。彼女は東京に出てからも、たくさんの息子や娘を作ったともいえるかもしれんなぁ。

東京っていう場所は、私にとっては未知の世界。

でも、その場所を知り尽くしている人なんているんだろうか?

東京タワーはそんなんも全部見おろしていて、いつもいつもそこにあるんだろうな。

そういえば、主人公“マー君”が子どものころに、屋根の上に座ってまちを見下ろして、幸せそうに笑っているおじさん(おじいさん?)がいたなぁ。「大きくなって、ああいう高いところにいけたらいいね。」ってオカンが言っていたのを、今、思い出しました。

東京タワーからは、東京の街が遠くまで見えるのだろうか?

東京を見おろしながら、幸せそうに笑える人が、どれくらいいるんだろうな。

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2006年11月 5日 (日)

『天の瞳』 灰谷健次郎

とりあえず幼年編Ⅰ・Ⅱ、少年編Ⅰ・Ⅱ、成長編Ⅰ・Ⅱ、あすなろ編Ⅰ まで読みました。

文庫が、そこまでしか出ていなかったので・・・。

読んでみて、すっごいなぁ、と思った。

倫ちゃんみたいな子が本当にいたら、それはそれは素晴らしい!!

でも、問題は倫ちゃんみたいな子を育てられる大人がいるかどうか、なんだろうなぁ。

ああいう風に子どもがまっすぐに育つための環境作りって、周囲の大人がどれだけステキな人がどうかってことなんかな。ここで「ステキ」って書いたのは、なにも「完璧」である必要はなく、子どもと一緒に悩むことができるかどうか、ってことのような気もする。

この子はなんでこんな行動に出るのだろう、私はどうやって関わればいいんだろうって。子どもをちゃんと一人の「他人」として尊重できるかどうかだと思う。

自分の子どもになるとそれが意外と難しいんだろうな。(私に子どもはまだいないけど。)

うちの母が、これをすすめてくれたんだけど、お母さんがその時に「私が子育てをしている時に読めたらよかったのに。」って言ってた気持ちがよく分かった。子育て感、変わるわ、そりゃ。

この話の中では、「いい大人」って、大人ぶらない大人として描かれている。下手に権威とかで「大人らしく」いようとするよりは、自分っていう人間をよく分かっていて、「大人」でいるというより、「自分らしく」ある人間のほうが魅力があるように描かれているのです。

たしかに、子どもとの関係の中で、下手に大人ヅラをするよりは、そんなん関係なく、常に自分らしいやり方で生きていける人って、すごくかっこいいしあこがれちゃうなぁ。すっごく難しいけど。

さてさて、中学生になった倫太郎や満やタケヤン、青ポン。学校を相手に、話し合う場を設けようと奮闘しているところまでお話は進んでることだし。一体どうなるんだろ。

「学校」っていう、学生にとっては絶対的な存在を、根底から問い直すその活動の行方がとても楽しみ。

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2006年11月 2日 (木)

『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!』

いや、まさか、化け物ウサギの正体がウォレス本人とは思わなかった。

そんな設定と盛り上げ方が、ちょっとしたホラーちっくでなかなか面白い!

いろんな細かいところがいちいち面白くって、こういう風な細部にこだわった作品って好きだなぁ。

レディ・トッティントンの格好が、いつ見てもなんらかの野菜に見えたり、グルミットが無言ながらもちゃっかりしっかりしてたり、何気なく現れるヴィクターのカツラネタがあったりと、細かく見ていけばたくさん楽しめる内容だなぁ。

『狼男』だったり、『キングコング』だったりっていう映画は私は見たことはないんだけど、キングコングが塔の上にいるシーンとかは超有名なので、ウォレスのウサギが建物の上で狙われているシーンは一目でそのパロディだとわかるしなぁ。

粘土でずっと作るやつって、何っていうんだっけ。。それで、こんなにも長い作品を作るのって、本当にすごいんだろうな。もう、めっちゃかわいいし!!

そしてまた、今回もいつものあのテーマ曲が使ってあって、楽しかったぁ。

グルミットがなんだかかっこよく見えた。

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