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2006年11月22日 (水)

『球形の季節』 恩田陸

この人の世界観って、すごい・・・・。“日常”の中に、確実に見え隠れする漠然とした不安や失望やなんかを、こんな形にして出してくるなんて。。

一見すると、ありえない話なんだけど、どっかでこういうのもあるのかもしれない、と思う自分がいる。退屈な日常であればあるほど、どっかで、本当はこの世界は何か大きな隠し事をしているんだろう、と感じる気持ちもわからないではない。

(まぁ、私の今の日常はそんなにも退屈じゃないケド。。。っていうか、どちらかといえば、何かに終われている感じかも。)

谷津という閉じられた土地で、起こった出来事なんだけど、日本の中にはこんな風に閉じられた土地ってまだまだ多いのではないかと思う。私はそんな土地が結構好きだったりするんだけどな。

ただもう、“もうひとつの世界”の持つ圧倒的な力と、完璧な情景(それはとても寂しい情景なんだけど、どこか優しいのかもしれない、と思った)の描写はすごいと思った。読んでいて、私もその世界に足を踏み入れてしまったような感覚になった。(授業中に読んでたんだけど、先生の声とか飛んでいったもん。)

身近な人が、“行ってしまった”ら、もうどうすることもできない、という形で物語は終わる。

下手にラストをつけず、それでも続いてゆく日常を感じさせる終わりかただと思った。

球形の季節 Book 球形の季節

著者:恩田 陸
販売元:新潮社
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